凪良日記

凪良ゆうの仕事情報、日常などを綴っております
「神さまのビオトープ」発売しました
神さまのビオトープカバー































2017年4月発行(講談社 タイガ文庫)
イラストレーター 東久世先生


初ジャンルです。

BLでデビューして今年で十年目になるのですが、きりのいいところでまた新人の気分を味わわせていただきました。まず女性を主人公にしたのが初めての試みだったので、一行目から新鮮でした。新鮮すぎてどうしていいのかわからず、ぐるっぐるになるくらい(笑)
せっかくの初ジャンルなんだから新しいアプローチをしようとか、一方でレーベルのカラーに合わせなくちゃとか、矛盾したことをゴチャゴチャ考えて、回り道で時間も費やして、年間スケジュールをガタガタに崩したあたりでようやく落ち着きまして、自分はなにを書きたいのか、という通常のスタンスに戻ることができました(遅いよ!)

本作はカバーも新鮮でした。
まず人間以外の表紙が初めてだったのです! とってもかわいい動物カバーで、Twitterに画像を上げたとき、かわいいですね、ほのぼの系でしょうかというリプライを複数いただき、あ、やばい、誤解されてるとちょっと焦りました。

書いた本人としては、ケーキに仕込まれた針みたいな話かなと思っています。
うる波と鹿野くんという二人を通して四編の物語が展開されますが、あれやこれや問題を抱えた人たちばかりです。

世の中にはいろんな人がいるよね、とか。
それもまたいいじゃんね、とか。

駄目なものを駄目なまま、悲しいことも悲しいまま、救いも特に与えないまま。常々、人から与えられる救いなんてあんまり意味がないような気がしているからでしょうか。良くも悪くも、そういう施しや赦しに似た常識から距離を置いている人たちのお話かなと。

神は自ら助くる者を助く、という言葉があって、努力する者には天の助けがあるよということらしいですが、ぶっちゃけ、自分のことは自分でなんとかしてね、ということですね。
世の中はそういうクールな神さまに観察されてるビオトープみたいなものかもしれません。

「愛していいんだ、心に正解はないから」

「世界が決めた『正しさ』から置きざりにされた人々へ」

この言葉を帯につけてくれた担当さんに感謝します。
ジャンルは変わっても書きたいことの根っこは変わらなかったし、とはいえジャンルが違うことで今までできなかったことができたし、曖昧なものを曖昧なまま書くことができたのが本当に嬉しかったです。


読者のみなさまにも楽しんでいただけますように。
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